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2021/09/01(水) 子どものための保育時間とは

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 OECD(経済協力開発機構)は、ヨーロッパ諸国を中心に、日・米を含めた37の先進国が加盟する国際機関です。そのOECDが、日本と海外の保育時間について、データを出してきました。それによると、OECDとEU(欧州連合)各国の保育利用時間は、平均週30時間ということでした。ということは、週に5日保育を利用するのであれば、1日あたり6時間の保育になります。  日本とラトヴィアという国の保育時間は、平均週40時間ということで、とびぬけて長いという見解が掲載されていました。このとびぬけて長いということも、日本にいると分かりにくい感覚ですね。  さくらそう保育園元郷の場合は、平均週40時間くらいで、日本の平均といえます。個別に見ると、週30時間の方もいらっしゃる一方で、朝早くから夕方遅くまで利用される方もいらっしゃいます。「本当は、もっと子どもと過ごす時間をつくりたいのだけれど、会社の都合なので仕方がない」というのが実情のようです。  心理学博士で保育の安全研究・教育センターのKI先生は、「そこまで子どもを長時間預けなければならない、大人都合の働き方システムでいいのか?」、「認可保育園に入園できたら、保育料はほぼ定額または無償なのだから、使えるだけ使わないと損というシステムでいいのか?」と提言をしています。そして「子どもにとって良いシステムを取り入れることこそ、日本の未来にとって良いことになるのではないか?」と結んでいます。「保育園としては、しかたがないでいいのか?」と、私たち保育園側にも問題提起をされています。  日本の長時間保育は、日本の長時間勤務に対応し、女性の社会進出を支えてきました。だからこそ、保育園は発展したのでしょうし、現状のシステムでの運営も、一応できているように見えます。でも、このシステムは、あくまでも大人都合のものです。果たして、これで子どもたちは幸せになるのでしょうか?  大切なことを書きたいと思います。母親と子どもの結びつきは、その子どもにとって最も大切で重要で必要なことで、子どもには、「私だけに愛情を注いでくれる母なる存在」が欠かせません。残念なことですが、保育士では母親の代わりにはなれません。  子どものためには、週40時間の保育時間というのは多いのかもしれません。欧米のように、30時間くらいが適切なのかもしれません。でも、それが叶わない日本です。