投稿

7月, 2023の投稿を表示しています

2023/08/01(火) 座談会 #4 [思いを否定しない]

イメージ
 (…前回からのつづきです)  (ぱぱ)  前回の座談会の趣旨は、子どもの一見マイナスと思われる行動も実は大切なのでは、ということですが、すけさんはどう思いますか? (すけ)  思いをくみ取るときに心掛けていることの一つに、その思いを否定せず「そうか、そうか」とありのままを受け止めるという事を心掛けています。  子ども達の思いをくみ取ろうとしたとき「聞いて聞いて!」と話したり意思表示をして思いを伝えてくれれば良いのですが、友達の玩具を取ってしまったりしていてなんて時には、すんなりと思いを伝えてはくれません。そんな中、やっと話したりしてくれても、そこですぐさま「欲しくても取っちゃダメでしょ」などと否定してしまっては、それ以上思いを伝えることも、こちらの話も聞くことも嫌になってしまうでしょう。そして再び何かあった時も「どうせ怒られるし(否定されるし)」と始めから思いを伝える気もなくなってしまうと思うのです。そうなってしまっては子どもの思いをくみ取ることも大変難しくなります。ですので、思いを伝えたら、受け止めてくれると言う、子ども達にとって思いを伝えやすい保育者であることが思いをくみ取るうえで大切であると思うのです。  また、この思いを受け止めてもらえると関係性は、子ども達の保育者に対する信頼にも繋がっていき、その信頼は、子ども達が安心して過ごせる環境作りに大きく影響をし、安心できる環境では思いを伝えることもしやすくなり、さらなる思いの受け止めにより、信頼がより高まりと正のスパイラルとして繋がっていくものと思います。  そして、例に挙げました玩具を取ってしまったりと言ったトラブルの時などは、思いを吐き出してしまえば心が落ち着いてくるでしょうし、落ち着けば相手の様子や保育者の言葉かけにと周囲に気を回す余裕も出てくるかもしれません。また、信頼関係のある保育者の言葉は子どもの心に届きやすくなることでしょう。そんな心に生まれた余裕や保育者との関係性がトラブル解決の糸口になるのではとも思うのです。 (ぱぱ)  子どもの一見マイナスと思われる思いを「否定」しないで「そうか、そうか」とありのままを受け止めることで、保育士と子どもの間に信頼を築いていきたい。信頼があれば子どもにとって耳が痛いことでも理解してくれるのでは、と言うことですね。その通りだと思います。  その上で、マイナスなこと

2023/07/03(月) 座談会 #3 [思いの背景]

イメージ
(…前回からのつづきです) (ぱぱ)  小さな一言を聞き流さないで、推察していく姿勢は、「寄り添っていく保育」そのものだと思います。「良い保育士は、良い探偵でもある」とも言えそうです。  では、次は、うめさん、子どもの思いをくみ取るという視点で、自由に語っていただけたらと思います。 (うめ)  「子どもの思いを受け入れる」ということを考えた時、個人的に意識していることは、「できるだけ正確に、その思いの背景を理解する」ということです。  たとえば、ある子が、他の子をたたいたり、噛んだりしてしまった場合、その行為が相手に与える影響(痛い、かなしい等)を説明し、「人の心や身体を傷つけることは、してほしくない」旨を伝える必要が、あると思います。しかし、その子が、そのような行動をしてしまった背景を理解できていないと、同じようなことが、二度、三度と起きてしまうと思います。発育・発達段階からすると、相手の気持ちを客観的に理解できるようになるのは、早くても4~5歳くらいからだそうですから、朝日園や東領家園のような0~2歳児さんの保育園では、なおさら、言葉の説明で理解することは、むずかしいと思います。  そこで必要になるのが、行動の背景にある思いを理解し、その気持ちによりそった対応をすることだと思います。他の子に乱暴してしまう子にも、相手の子に自分の使っていた、おもちゃを取られてしまったり、作っていたものを壊されてしまったりして、かなしかったり、くやしかったりした…という思いが、あったのかもしれません。あるいは、前日、よく眠れていなかったり、朝ご飯を十分に食べられなかったりして、体調が万全ではなかった…という事情が、あったのかもしれません。さらには、保護者やスタッフに甘えて、受け入れてほしい…という思いの裏返しだった…ということも考えられます。  その子の日々の様子や、他の子を含めた前後の流れ、そして、家族や他のスタッフからの話等、少しでも多くの情報を得るとともに、目の前にいる子自身を、しっかり見つめることで、行動の背景にある思いに共感して、それを受け入れられるような保育者になりたいと思います。このようなスタンスは、前回の話にあった「インクルーシブな保育」にもつながると思いますし、ひいては、わたしたちの目指す「さくらそう保育」になっていくんだと思います。 (ぱぱ)  その通りですね。