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2022/07/01(金) 素敵なお部屋と子どもたちの力 (すけさん)

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 はじめまして、東領家園で管理者をさせていただいている、すけさんこと、西山 昂佑(にしやま こうすけ)です。  今回は、東領家園の素敵なお部屋のお話をさせていただきたいと思います。  この度、東領家園では、保育室を改装して、給湯室(元給食室)の一部を子どもたちが自由に遊べる小さな空間にしました。  なんということでしょう。匠の手により、こんな素敵な窓のついたお部屋が出来たではありませんか!これはもう、子どもたちも大喜び、登園するなり「うわぁ~っ!」と歓喜の声が聞こえてくることでしょう。  しかし、当日、声を上げたのは、我々スタッフの方でした。あれ?、あれあれ?。ちらっと見るも、何事もなかったかのような子どもたち...。「なぜ?、歓喜はどこへ?」と困惑ぎみのスタッフたち...。  「〇〇君なら、きっと...」と話していましたが、その〇〇君も、「へー」と控えめな反応...。  「どうして?」と考えていくうちに、ふと思いました。「そこが、入ってはいけないところだったから」ではと...。そう、そこは元給食室、子どもたちには「入らないでね」と言ってきたところだったのです。  試しに、スタッフが入って、窓から「お~い」と声をかけてみると、「えっ?」とソワソワしだす子どもたち...。「入っていいよ」と声をかけると、恐る恐る入ってきて...。「うわぁ~!」、「窓だよ!」、「こんにちは!」と、思い描いていた反応がありました。  そんな様子を見て、他の子どもたちも入ってきて、みんなで「おーぃ」、「ここも窓だよー」と大賑わい...。プラレールの線路を、わざわざ狭い部屋の中にお引っ越ししようとする子どももいたりと、あっという間にお気に入りのお部屋になったのでした。  そんなお部屋のお話でしたが、私たちスタッフは、それよりも子どもたちの姿に感動しました。なんといっても、それまで「入らないでね」と言っていたことをしっかり認識して、「いいよ」と言われれば飛び込んで行くほどの魅力があるのに、入らないでいたのですから...。  彼らは、まだ1歳か2歳...。日々の遊びの中では、クッション材を剥がしてみたり、隙間におもちゃを投げ入れてみたりと、いろいろないたずら(?)をして楽しんでいる子どもたちです。それでも、どこかに彼らなりの線引きがあり、「これはしない」と自分たちの中で判断していたのです。  今回

2022/06/02(木) 「ともにある」ということ (うめさん)

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 保育学校時代に、「ともにある」という言葉を学びました。これは、単に「物理的にいっしょにいる」ということだけではなく、「子どもの思いに共感し、その気持ちによりそう」というところまで至ることだそうです。それまで聞いたことのない表現だったこともあって、その保育の本質をとらえた言葉が、とても印象的だったのを覚えています。  さて、さくらそう保育園は、小さな子どもたちが、一日の大半を過ごすところです。日々の活動の中で、好きなことをして遊んだり、おいしい給食やおやつを食べたり、ぐっすりとお昼寝をしたりしています。どの活動も、お友だちやスタッフといっしょで、さまざまな関わりの中から、人としての関係を学んでいく、貴重な経験になっているんだと思います。  そんな中で、給食やおやつ、お茶等をこぼしてしまう、Aちゃんという子がいました。自分で食べるようになったばかりの子は、上手に口に運ぶことができず、結果的にこぼれてしまうことが多くなります。また、いろいろなものに興味を持つようになった子は、食べるものや飲むものもオモチャにして、水遊びや砂遊びをするように、ご飯とおかずを混ぜてみたり、そこにお茶や味噌汁をかけてみたりします。Aちゃんは、すでに保育園で何年か過ごしてきたお姉さんだったので、われわれスタッフは、食べもので遊んでいるのだろうと考え、食べることや食べるものの大切さを伝えながら、少しでも食べられるように声をかけていました。  ある日、そのAちゃんの補食を手伝う機会がありました。案の定、Aちゃんは、出されたせんべいとお茶で、新たな料理(?)を作り始めました。失敗はもちろん、それが遊びであっても、否定するつもりはまったくありませんでしたが、それなりに食べておかないと、家に帰るまでにおなかがすいてしまうと考え、食べてみるように声をかけてみました。しかし、結果は同じで、Aちゃんはほとんど口にしませんでした。  その後、ふたたび補食の時間になった時に、自分が大きな間違いをおかしていたことに気づきました。前回は、補食の準備だけして、Aちゃんに一人で食べさせて、自分は部屋の片づけ等の仕事をしていたのです。一人でテーブルについても、おいしく食べられるはずがありません。Aちゃんのまなざしから、そのことに気づいた自分は、急いで自分のお茶を用意して、Aちゃんといっしょにテーブルにつきました。「おいしいね