2022/11/01(火) テストも校則もない自由教育 (ぱぱさん)
2022年10月15日(土)の朝日新聞の記事から、「堀真一郎さん」を取り上げます。まずは、先生のお話からご紹介しましょう。 「この学校は、いろんなものが“ない”ことが特徴です。『先生』と呼ばれる人がいない。学年がない。宿題もテストも通常の通知表もない。チャイムも鳴らない。校長はいるけど校長室はない。廊下もない。“ない”ものはまだまだあります。入学式や卒業式など、堅苦しい儀式もありません。子どもを叱る声も、ここでは聞こえてこない。こういうと、たいていの人は驚いて“いったい何があるのですか”と尋ねてきます」 「いったい何があるのかというと、答えは決まっています。“楽しいことがいっぱいあります”。学校を覗いてもらえればわかります。みんな、笑顔でしょ? この学校は、子どもたちの笑い声で満ちています。子どもの発見と成長があります。“学校は楽しくなければならない”。そう思って仲間と作ったのが、この学校なんです」 「教職員は大勢います。でも、『先生』でなく、『大人』と名付けています。それぞれ子どもたちからは、さん付けやニックネームで呼ばれています。私も『堀さん』です。『先生』の呼称を廃止したのは、大人と子どもの心理的な壁を取り払いたかったから。先生の指示を待つだけの子にしたくなかった。だって先生だからってエライわけじゃないですよね? 権威も必要ありません。教えるのではなく、子どもと一緒に、悩み、考えればいい」 「この学校は、いわゆる算数や国語といった教科の名が時間割にありません。その代わり、『プロジェクト』という名の体験学習が中心を占めます。プロジェクトは縦割りで、衣・食・住・表現の4つの視点から“生きること”を考え、追求していきます。プロジェクトとしては、工務店、ファーム、料理、ものづくり、劇団など、縦割りのプロジェクトがあって、子どもたちは希望するところに所属し、やる内容も自分たちで決めます。例えば、料理プロジェクトチームの話し合いで、蕎麦が年間テーマに決まったとします。子どもたちは、蕎麦について調べ、実際に種から育て始めます。近所の蕎麦屋に取材に行ったり、蕎麦粉と水の量を計算したり。そこには、国語や算数、理科や社会など、あらゆる基本教科のエッセンスが詰まっています。正解のあるドリルと違って、自分の頭で考えないと前に進みません。プロジェクトを担当する大人も、専門家で...