2023/03/01(水) ならぬことはならぬものです…の前に (すけさん)
「ならぬことはならぬものです」 みなさんは、この言葉を聞いたことはありますでしょうか。 2013年に放送された大河ドラマ、「八重の桜」で流行った言葉でもあります。物語の舞台となった会津には、6歳から9歳までの藩士の子ども達10人程度からなる「什(じゅう)」という集まりがありました。その中で作られ、守られていたのが「什の掟」という決まりで、その締めくくりの言葉が「ならぬことはならぬものです」なのです。 これは、「してはいけないことは、してはいけないよ」という意味ですが、子ども達と関わる上で、「ならぬことはならぬものです」をどう伝えていくか、悩むことが多いと思います。什の掟の対象は、6歳から9歳までという、理屈での話が通じ始める年齢です。これに対して、私のように0歳から2歳までを対象とする保育者が関わる子どもたちは、まだまだ「理屈なんて知ったこっちゃない、私の思いはこうだぁー!!」という発達の段階にあります。 だからといって、「何もしなくていい」というわけにはいかないのが、何とも難しいところです。「理屈なんて知らん顔」という相手に対しては、「どうやって伝えるんだ!」、「どうやって守らせるんだ!」と四苦八苦するのが関の山、次々に現れる困りごとや危険なことを目の前にすると、悩みは尽きないことでしょう。 では、どうするか? 0歳から2歳くらいまでのお子さまが、ならぬことをした時は、伝わる、伝わらないにかかわらず、提案という形で伝えるのがいいのかなあと思います。保育者は、「そうしたかったんだね」とその子の思いに共感しつつ、「でもね」と「相手のお友だちにも、お友だちなりの思いがある」ということを伝えるように心がけるのです。 それを幾度となく繰り返すことで、だんだんと「そうしたら、困っちゃうんだよね」と考えられるようになっていくのですね。そんな機会を、たくさん持てたらいいなと思います。 例えるなら、「芽が出る未来を心待ちにしながら、今は何も出ていない畑の手入れを心を込めてする。」それが、私たち大人にできることなのかなあと思います。 繰り返しになりますが、伝わらなくてもいいのです。守れなくてもいいのです。この時期は、「今、できるようにする」のではなく、「この先、守れるようになる」ための基礎を築いていく時なのです。 ただし、身体的に相手を傷つけることや自分自身を傷