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2025/02/14(金) たくみな話術 by ぱぱ

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  ある日の夕方、2階さん(2~3歳児クラス)のFちゃんがやって来て、 「ぶらんぶらんしたい。」 「ちょっとだけやって」  私(ぱぱさん)の、両手の人差し指を鉄棒に見立てて、その人差し指にぶら下がってみたいと言うのです。私は、「Fちゃん、重くて、こりゃ大変」と思いましたが、「ちょっとだけやって」の言い方が、本当に申し訳なさそうなニュアンスだったので、「そこまで言うなら」と私は思い、「いいよ」  10秒間くらいでしょうか、両手の人差し指にかかるFちゃんの全体重を、歯を食いしばって支えました。  10秒後、Fちゃんを降ろすと、Fちゃんは、 「もういっかいやって~」  その言葉には、「とっても楽しかったです。もしも許されるのなら、もう一度だけ体験させていただけませんか。無理ならかまいません。」といった思いが宿っているように、思われましたので、私は「いいよ」と、今度は5秒で限界となってしまいましたが、彼女の思いを叶えて差し上げました。  するとFちゃん、今度は畳みかける口調になって、 「ず~っとやって」  最後の言葉は、「しめしめ」感100%でした。私は彼女に一本取られたのでした。  言い方のニュアンスは抜きにしたとしても、 「ちょっとだけやって」 「もういっかいやって~」 「ず~っとやって」  何て無駄のない、巧妙な言い回しなのでしょうか! まるでコピーライターが頭をひねって、何度も何度も推こうして、こしらえたキャッチフレーズのようです。  最初から、「たくさん、やってもらいたい」と言うと、断られることは分かっているので、そのことは隠しつつ、最初は少しだけ、仮に許されたのなら、二度目はもう少し風穴を開けて、それも突破出来たら、三度目は本心を! 「秘技、要求三段活用だぁ!」そんな風に組み立てているような気がしました。  なんて天才なのでしょう。未来が楽しみです。